1
グロウに日誌をつけてみてはどうかと言われた。
自分の考えを記録しておく目的があるのと、何となく楽しいかららしい。
何となく楽しいって・・・?
グロウが楽しいの?
まさか、私の日誌を盗み見るつもりじゃないよね・・・?
とりあえず何を書いたらいいかよくわからないし、その日あった出来事をつづってみようかと思う。
初日は結局図書館で過ごした。
テーマを決めるにもグロウの手伝いをするにも私には色んな知識が不足している気がする。
図書館には司書がいた。
名前はリブスっていうらしい。
本名かな?
それともコードネーム?
うーん、図書館も一応スペルフルの施設だし、その図書館で働いている人物もスペルフルが雇った人だよね?
じゃあ、リブスもコードネームなのかも。
あ、社内ではコードネームで呼ぶにしても社外では何と呼んだらいいのか・・・
っていうか、社内の人間で本名を知っているのってシヴさんくらいだ。
本名で呼ぶに呼べない。
まあ、いっか。
んで、司書のリブスに話を聞いたら社内の人間は自由に本を持って行っていいとのこと。
そういえば、スペル開発部門の部屋には大量の本があったな。
あれってグロウが借りてきているもの?
借り過ぎじゃない・・・?
ちゃんと返しているのかな。
他に読みたい人がいたらどうするつもりなんだろう。
そこのところが気になったので聞いてみたら、本にスペルがかけてあるとのこと。
だから、持ち出し自由なわけね。
とりあえず私はスペル関係の本を読むことにした。
って言っても、たくさんありすぎてどれを読んだらいいのか・・・
おすすめをリブスに聞いてみたらスペル初心者は「スペルとは」っていう本を読むと良いらしい。
この本によると
・スペルとはマナを消費してキャストする魔法
・スペルはキャスターによって出力に違いが出る
・スペルには諸条件によって安定性が変わる
・マナは自然にあふれているが、森林地帯には多く存在している
とのこと。
っていうか、スペルのことを全然知らないような私がどうしてスペル開発部門に回されたのか・・・
スペルフルの社史とかないかな。
読んでおいたら開発するスペルの方向性とかわかるかも。
またリブスに聞いてみる。
「スペルフルの歴史」という本を読んでみると良いとのこと。
リブスは何でも知っているなぁ。
この図書館の本をすべて把握している?
そういうスペルとかあるのかな。
「スペルフルの歴史」には
・創立者はスペルフル
・元は軍の一部だったけど、それが独立してスペルフルになった
・スペルの属性は銃がメイン
・スペル開発部門以外にもたくさんの部門がある
・なんならスペル開発部門ができたのは割と最近
あー、だからスペル開発部門には私を含めて3人しかいなかったんだ。
コードネームを使用するのは軍の一部だったころの名残?
スペルの属性は銃がメインか・・・
スペルフルの既存スペルについても調べた方がよさそう。
時間になったので、今日は終わりにした。
リブスに挨拶をして、スペル開発部門に戻る。
グロウにはまだ調べ物をしているとだけ報告した。
グロウはまだやっていくらしい。
まだ紹介されていないもう一人はちょっと遅くなるので、今日は会えないらしい。
開発で外に行くこともあるのかな?

Continued from File2
Continued in File2-2