「今は出かけていますがが、スペル開発部門にはもう一人います。帰ってきたら紹介しますね。」
「わかりました。」

スペル開発部門なのに私を含めて3人しかいないの?
ドーラスソンジュみたいにたくさんいるのかと思った。
もしかして、スペルフルでスペル開発部門ってそんなに重要ではない?
そっか、だから新人の私でも配属されたのかな。

「グッドサイエンティスト、私はこれで失礼します。グロウ、あとはお願いします。」

不思議なコードネームは付けられたけど、グロウはいい人そうだし、やっていけそう。
あ、シヴさんもコードネームを付けられたのかな?
次会うときはなんて呼べばいいんだろう。

「一日の流れを説明しますね。基本的にやることは自由です。」

自由?

「さすがに何もしないのはまずいですが、自分の好きな研究テーマでスペルを開発してもらって結構です。必要なら図書館へ行っても大丈夫です。」

そういえば、スペルフルには大きな図書館があるんだっけ。

「新規スペルを開発してもらってもいいですし、既存のスペルを改良するも有りです。他社の製品を研究してても止めませんよ。」

いきなり新規スペルの開発は難しそう。
既存のスペルって言っても、人の開発したスペルを新人の私がどうにかできるのか・・・。
他社の製品はそもそも解析が必要なんじゃ?
ああ、どれも難しそう。
どうしたら・・・

「って言っても、いきなり何もかも自由だと難しいと思うので、私が抱えている研究の手伝いでも構いません。むしろ、私の方からお願いする場合もあると思います。」

あ、お手伝いならできるかもしれない。

「一応、この部門の責任者は私になっているので、研究のテーマが決まったら報告をお願いします。すぐに決めなくても大丈夫ですよ。まずは図書館に行って面白そうなテーマを探すのでもいいですし。」

どうしようかな。
まずはグロウのお手伝いをしようかな。